まじめな話

母が死んだあの夏からもう5年が経ったんだな、『お母さん!!僕はまだ今でも寂しいからな・・・』

母がこの世を去って2021年の8月で5年が経った・・・

 

母は65歳だった

ちなみに父も60歳で死んでしまったので

両親2人とも今はこの世にいません

 

街で母に雰囲気の似たご婦人を見ると

今でも寂しさが込み上げてくる

 

嬉しい事があった時には母にも教えたくなる

 

辛い事があった時は母に話を聞いて欲しくなる

 

 

母は60歳位から色々な病気で入退院を繰り返すようになった

そして最後の1年はずっと病院で過ごしていたんです

 

自分には未だに後悔している事が2つある

1つ目は何もしてあげられなかった事

 

気の利いた息子なら入院中でも

何か喜ぶ事をしてあげれたかもしれませんが

『今度退院したら旅行に行こう!!』

『今度退院したら美味しいものを食べに行こう!!』

 

今度、今度って言うだけ言って

その今度が来なかった・・・

 

 

2つ目の後悔は感謝の気持ちを伝えられなかった事

 

自分も子育てが進むにつれて悩むことも大変な事も色々とあって

今になって親の気持ちやありがたみが分かる

『僕を生んでくれてありがとう』

『僕を育ててくれてありがとう』

『色々と迷惑をかけてごめん』

『お母さんの事大好きだよ』

 

心の中では何度もつぶやいたけど

実際に母さんに面と向かって言うのは照れくさくて言えなくて

ドラマの様に最期を看取る時に伝えようって思っていたけど

ある日突然意識が無くなったりするのが現実で・・・

 

結局言葉に出して伝える事が出来なかった

 

 

 

 

そして母の人生を思うと

”母の人生は本当に楽しかったのかな?”と思う事が多い

うちの家はそんなに裕福でもなかったし

父がかなり倹約家だった事もあり

贅沢なんてモノは御法度

 

外食も殆どした記憶が無いし

家族皆で旅行に出掛ける事も無かった

 

専業主婦だった母は家の中でずっと毎日同じことの繰り返し

 

そんな人生は本当に楽しかったのかなと

今となれば思うんですよ

 

 

 

先ほども書きましたが

死ぬまでの最後の1年間はずっと病院で過ごしていた

 

容体は比較的落ち着いている日も多かったけど

もう完治はしない肝臓の病気を抱え

そしてメラノーマと言う癌も見つかった

精神的にたまに辛そうな時もあった

 

だから出来るだけ毎週末子供を連れてお見舞いに行った

 

母の病室は4人部屋の窓際の所だった

古い病院の少し小さな窓だったけど海が見える

お見舞いに行くとボーッと窓から外を眺めている母を良く見かけた

 

この窓から見える景色が今の母の全てなのかなと思うと

なんだか泣けてきた・・・

 

母が昏睡状態になったのはお盆の10日前位だったと思う

お盆休みには顔を出せると思っていたので

しばらく会いに行ってなかった

 

だから母との最後の会話は

『またお盆休みに来るね』とか他愛もない話だったと思う

 

昏睡状態になってからは毎日の様に病院に通った

返事はないけど何度も呼びかけた

 

数年ぶりに母の手を握った

このぬくもりが少しでも続くように願った

 

でもお盆が終わると共にこの世を去った

 

 

 

母が病院の霊安室に運ばれた後

病室の荷物の整理をしていた時

母がいつも見ていたあの小さな窓から外の景色を見た

 

手前にある木が邪魔だったけど

奥には青い海が見える

 

そして見上げた空はとてつもなく綺麗だった

『夏の空ってこんなに綺麗だったかな・・・』

空の青と雲の白のコントラストが妙に綺麗に見えたんです

 

小さな病室の窓から見た今までで1番綺麗な青空

この先もきっと忘れられないし

忘れたくないと思ったんです

 

自分がこのブログのアドレスを考えた時に真っ先に浮かんだのが

あの日見た美しくも儚い”8月のそら(hachigatunosora)”

 

本来ブログアドレスはブログ内容に沿ったアドレスを付けた方が良いみたいですが

何となく”8月のそら”にしたかった

 

僕は何の恩返しも出来なかったし不甲斐ない息子だ

 

今自分が出来る事は

母を思い出して懐かしんだりして

毎日思い出す事だと思うんです

 

そして幸せをかみしめながら生きる事だと思う

 

 

このブログを見てくれている皆さんには定期的に伝えたいんですけど

ゲームや遊ぶことはいつでもできる事です

でも親御さんへの親孝行は今しかできない事です

 

”また今度にしよう”と思わないで

例え会いに行けなくても

”電話一本でも良い”

”手紙を書いても良い”

”贈り物をしても良い”

今すぐに今しかできない事をやってみませんか?

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